不知火(しらぬい)…。
とても柑橘の名前だとは思えないようなネーミングですよね!
実は一般的に呼ばれているデコポンと同一種なんですが、商標の関係で呼び方がマチマチになっています。
この柑橘、もう食べたことがある方も多いと思います。
不知火独特の濃厚な味わいと食感は一度味わうとなかなか忘れることは出来ないかもしれませんね…。
それほどインパクトのある柑橘なんです。
そして、一見すると硬そうに見える外皮ですが、思ったよりも薄くて簡単に手で向くことが出来るので、とても食べやすいです。
さらに、内皮(じょうのう)もとても薄く、そのまま食べても気になりません。
食べやすくてしかもインパクトのある食味、人気があるのは当然の結果かもしれませんね!
当園でも不知火は人気の柑橘のひとつです。
ぜひ、味わってみてくださいね!
不知火の栽培は本当に手間がかかります!
最近の中晩柑は手間がかかる種類が多いのですが、その代表的なのがこの不知火です。
その手間のかけ方は農家さんによってそれぞれだろうとは思いますが、当園では、この白い繊維状の袋を掛けます。
これは鳥の食害の防止の効果もありますが、着色促進の効果も認められています。
10月中旬、着色が3~4割程度くらいになった実から包み始め、11月末までには作業を終えます。そして、年明けの1月上旬から着色の進んでいる園から収穫を始めます。
その際、最初は木の上の方から中くらいまでの日当たりの良い場所から収穫します。もちろんですが、ひとつひとつの着色を確認しながらです!
そのようにして不知火園全園を廻った後、最初の園に戻り木の内側や下の方を収穫します。その際もひとつひとつのチェックをしながら…。
それが終わったとに、再度、最初の園に戻り、残りの実を全て収穫します。
これが分割採集という方法なんですが、他の柑橘でも行われているのですが、不知火ほどシビアではありません。
あの濃厚な味わいと食感を出すためには細やかな作業が必要になるんですね…。
取り扱いにも細心の注意を…。
この不知火、収穫時やその後の扱いにも注意が必要です。
収穫の際は採集袋を使い、コンテナなどに落とさないようにします。
つまり、一般的な柑橘の収穫のようにどさっと移さないということ…。必ずひとつひとつ移し替えます。その際も衝撃を与えないように気を使います。
そして、コンテナには6割程度しか入れないようにして下になった実に重さがなるべくかからないようにします。
このような処置をとるのは不知火の果皮が弱く、障害が起きやすいからのようです。
果皮障害のはっきりとした原因は未だに分かっていないようですが、今のところこのような処置がとられています。
ところで、この不知火も全国各地で生産されています。その地方によって食味も当然ながら変わってきます。
ここ佐田岬半島の段々畑で育った不知火も厳しい自然環境に耐えてきただけあってインパクトのある食味に仕上がっています。
機会がありましたら召し上がってみてくださいね!