~持続可能な農業への新たな取り組み~
これまで、柑橘栽培では、窒素、リン酸、カリウム(NPK)を中心とした肥料の施用が一般的でした。しかし、当園では環境への負荷を軽減し、持続可能な農業を実現するため、大きく栽培方針を転換しました。肥料に頼らない新しいアプローチで土を再生する栽培をしています。
従来の肥料施用の見直しが必要!
従来の肥料施用は、短期的な収量向上には効果的でしたが、土壌環境への負荷が問題となっています。
- 土壌中の過剰なリン酸やカリウムの蓄積による微量要素(鉄や亜鉛)の欠乏。
- 土壌構造の劣化や、微生物の多様性の低下。
- 肥料製造や使用時の環境負荷(CO₂排出など)。
これらの課題を解決するため、当園では肥料を使用せず、自然の力を最大限に活かす栽培方法へシフトしています。
新しい取り組みとして自然に寄り添う土づくりの実践。
当園の栽培方法は、化学肥料や有機肥料を使わず、園地内で生じる資源を循環させる「環境共生型農業」を目指しています。主な取り組みを以下にご紹介します。

1. 草と剪定枝から作った炭を活用
- 草と剪定枝を使用した土づくり
除草剤を一切使用せず、園地内に生える草を刈り取り、柑橘の木を剪定した枝を焼却して炭にし土壌に撒いています。将来的にそれらをバイオ炭の品質にまで向上させるよう準備しています。 - バイオ炭の土壌改良効果
炭には多孔質構造があり、土壌中の水分保持性や通気性を向上させるだけでなく、微生物の住処となり、土壌環境を整える効果があります。また、炭は長期間土壌に残留するため、地力を持続的に向上させることができます。
2. 園地内の自然資源を循環利用
- 肥料を使わず自然の力で土壌を再生
草や枝を炭化して再利用することで、外部からの資材を持ち込むことなく、土壌を健康に保ちます。 - 環境負荷を削減
剪定枝や草を園地内で循環利用することで、廃棄物を出さず、環境負荷を抑えることができます。
3. 微生物を活性化
炭を混ぜ込むことで、土壌中の微生物が活性化します。これにより、自然な分解・栄養循環が促され、作物が健全に育つ土壌が作られます。
環境に負荷をかけない持続可能な栽培をめざして!
- 化学肥料や有機肥料に頼らないことで、自然本来の循環を活かした栽培を行っています。
- 剪定枝や草を炭化して土壌を改良する方法は、地球環境を守りながら、農地の生態系を豊かにします。
- こうした新しい取り組みを通じて、環境に優しい柑橘づくりを続け、次世代に豊かな土壌と自然をつなげたいと考えています。
おわりに
当園では、従来の肥料施用を見直し、自然に負荷をかけない循環型農業を実践しています。園地内での資源循環により、環境を守りながら高品質な柑橘を生産することを目指しています。これからも、持続可能な農業の実現に向けて新しい挑戦を続けていきます。