四国の最西端に位置する日本一細長い佐田岬半島…。
その独特な地形から風が強く吹く日が多いという特徴があります。
そのような環境の中で柑橘を栽培するには風対策は必須です。
そこで、昔から防風垣を設置している柑橘園が多く、段々畑とその防風垣の景観は半島の名物にもなっています。
しかし、柑橘栽培農家の減少や高齢化によって防風垣の手入れが出来ず、その役割が機能していない園も出ているのが現状です。
そのような状況の中、当園では半島の自然環境にマッチした柑橘の栽培を目指しています。
この防風垣の手入れも大切な作業のひとつ…。
大変な労力が必要になりますが、手を抜くことなく続けていこうと考えています!
防風垣の役割とは…。
防風垣には様々な種類の木が使われてきました。
この辺りでよく使われているのは杉と槇の木です。
近年では杉の木を使う農家さんが多くなっています。
その理由として、槇の木は成長が遅く、塩害に弱いことがあります。また、病害虫の発生源になるケースも多いようです。
それに対して杉の木は成長が早く、塩害にも強いのでここ半島の自然環境にあっていたようです。
しかし、槇の木の利点もあります。
それは欠点でもある成長が遅いということが、言い換えれば一度手入れをすると長い期間そのままでも機能してくれることです。
杉の木の場合は一年に一度、もしくは二度、手入れをする必要があるので、作業の短縮にも効果があります。
段々畑の石垣と杉垣の組み合わせがポイント!
ここ佐田岬半島の園地は段々畑になっているところがほとんどです。
半島独特な地形から平らな土地を確保することが難しい現状があったようです。
そこで、傾斜のきつい斜面を削り、石を積み重ねて園地を確保しました。
そのようなことから、どうしても風の影響を受けやすくなるので生垣を設置することになったようです。
近年では防風網を設置する農家さんもいるようです。
確かに手入れをする必要はありませんが設備のメンテナンスが必要になり、耐用年数もそれほど長くはないようです。それに、海から吹き上げる潮風を防ぐことが出来ないので、柑橘に及ぼす塩害の対策にはなりません。
なので、防風垣として杉を植えているのが現状です。
防風垣と石垣を設置することによって、半島の自然環境に適応した柑橘園になっています!