今、にわかに注目を浴びているのがクリンカという物質。
石炭を使った火力発電所において、その石炭を燃焼させた時に約1割の石炭灰が発生するようです。
発電所のボイラー内で石炭を燃焼させた時に出来た石炭灰の粒子がくっつき合いボイラーの底に堆積しそれを砕き冷却した物をクリンカアッシュと呼んでいます。
また、お茶の飲料水を製造するときに出来る茶殻もいわば廃棄物です。
この茶殻の再利用をするために注目されたのがクリンカです。このクリンカの粒度を調整したものを茶殻に混ぜて発酵させたのが耕力堆肥です。
この耕力堆肥は33%ものケイ酸を含んでいて弱酸性となっています。
このケイ酸は植物の茎を硬く丈夫にするため、葉がきれいに伸びることによって太陽の光を受けやすくなるので光合成が盛んに行われるようになり作物の生育が良くなったり品質の向上にもつながるといわれています。
その耕力堆肥を当園でも試験的に導入いたしました。
先ずはライムの苗木に施用し、その生育状況を観察しています。
その詳しい様子は柑橘栽培日記の方に掲載していますのでチェックしてみてください!
植え付け後10ヶ月のライムの苗木でテスト開始です。
今回の耕力堆肥はライム園でテストすることにしました。
このライム園は2017年3月にタヒチライムの一年生苗木を植え付けました。
3年後の完全無農薬での収穫を目指し、着果させるまでの2年間で病害虫に強い木に育てることを目標にしています。
植え付け後、土壌改良を目的とした堆肥を探していたところ、この耕力堆肥に出会いました。
その効果に興味をもったわけですが、柑橘栽培においては実際のところどの程度の効果があるのかは開発者の方でもデータがない状況でした。
そこで試験的に実施することとなった次第です。
野菜栽培においては良好なデータ結果が出ているだけに柑橘への効果も期待してでの開始になったことはいうまでもありません。
苗木を植えてくてから10ヶ月が経過した1月下旬、耕力堆肥を施用しました。
堆肥の施用時期としてはベストな時期ではなかったのですが、春先の根が動く前に施用し、土壌に馴染むようにしておきました。
できるだけ正確なデータを収集するために実施したこと!
ある程度のデータが欲しいこともあり20本の苗木のうち10本に施用し、植え付ける場所による影響が少なくなるよう、交互に施用することにして、生育状況をチェックすることとしました。
もちろんですが、定期的な施肥は全ての木で実施し、その他の作業も全く同じようにしています。
違うことといえば耕力堆肥を施用しているか、いないかだけのことです。
これからの生育状況等、変化があれな記録していこうと思っています。
その前に、ライムがここ佐田岬半島の厳しい自然環境のなかで適応してくれるのかが問題ですが…。